第十九回〜ボケミアン・ラクゴディ〜

 

皆様、ご無沙汰しております、真蔵です!

 

12月7日に幕張落語会を控え、ブログの更新頻度も高まっております(皆さん7日土曜日のご予定は空けていただいておりますでしょうか)。

 

今回は今年8月10日に開催されました前回の落語会、「幕張落語会〜ボケミアン・ラクゴディ〜」がどんな会だったのかを振り返るレポ記事です、お待たせ致しました!

 

早速参りましょう!

 

【開口一番「穴子でからぬけ」五代目いらし亭今宵】

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開口一番はこの方、ふくぶくろの落語会には初出演の五代目いらし亭今宵くんによる「穴子でからぬけ」。

 

間抜けな愛されキャラでおなじみの与太郎には珍しく、見事なテクニックで兄貴分をやっつける手際が楽しい噺です。

 

マクラでも降っていた通り実に9ヵ月ぶりの高座とのことですが、ブランクを感じさせない見事な出来!さすが現役の落研時代には会長、下座主任、情宣主任を兼任し落語漬けの日々を送っていたその研鑽ぶりが伺えます。

 

長さやネタの量もちょうどよく、落語会をコース料理に例えるなら食欲を刺激しその後の料理の味も引き立てる見事な前菜でした!

 

【口上 八代目子敷屋晴夢】

 

口上はもちろんこの日の主任、八代目子敷屋晴夢さんです!

「ボケミアン・ラクゴディ」というサブタイトルに軽く触れ(ボヘミアン・ラプソディーは本当にいい映画でした)、2分程度の口上ながらぐっとお客さんの心を引き寄せつつ最後にはしっかりひと笑いとって降りていきました。大トリでの再登場に期待が高まります!

 

【「落語会の楽しみ方」三代目女難亭愛狂&四代目麻屋鶴蔵】

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さあここではふくぶくろの代表と副代表のお2人が登場し、お客様に落語会の楽しみ方を説明するというコーナーが始まりました!

説明というか、漫談ですね笑

 

実はここでの2人の登場には裏話がございまして…。

このとき楽屋でちょっとしたトラブルが起きてしまい、どうしても数分だけ場を繋がなくてはいけなくなってしまった!この未曾有のピンチに颯爽とお2人が立ち上がり、ノープランでお客様の前に出たにも関わらず笑いの絶えない4分間ほどのトークが始まったのです!

 

この対応力、アドリブ力、そしてカリスマ性、お2人がふくぶくろのトップを務めておられるゆえんですね。

 

…媚びてるわけではありません、決して!

 

【「たがや」 浮世亭色恋】

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続いてはこの人、浮世亭色恋さんによる「たがや」。

 

「ちょっと待て!この人そんな名前(高座名)だったっけ?」となった人はかなりのふくぶくろマニア、もしくはこの方のファンです!

確かにこの方は以前にもふくぶくろの落語会に出演しておられる、四代目いらし亭今宵さんです。

今回同じ名前で五代目の今宵くんが開口一番で出演しているので、本人の配慮と遊び心から「色恋」さんとして出演されました。

 

今回の噺は夏の風物詩である花火に縁のある「たがや」。やはり季節感のある噺というのはライブ感があって良いものですね。

「地噺」とも言われる語りの多い難しい噺ではありますが、そこはさすがの貫禄。よく通るお声とメリハリがありながら軽妙な語り口にお客様も楽屋のスタッフも一同心地よく、ときに爆笑の渦を巻き起こし、惜しまれつつ颯爽と高座を降りていかれました。

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↑すべてを出し尽くし崩れ落ちておられました笑

この後無事に起き上がられたのでご安心ください。

 

 

【仲トリ「もう半分」九代目三升亭酔狂】

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仲トリはお馴染みのこの方!九代目三升亭酔狂さんです。

 

噺は花火に並ぶ夏のもうひとつの風物詩、怪談で「もう半分」というおはなし。

 

もうね…

 

め っ っ っ っ ち ゃ く ちゃ 怖 か っ た…!!!

 

個人的な話をさせていただきますと私はこの次、休憩を挟んで仲明けに出番を控えておりました。もうただでさえ心臓がバクバクしているところにこれだけの怪談ですから!色々なドキドキが混ざりあって大変でした笑

 

やはりなんでしょう、まず語り口が相変わらず巧みで、噺の世界に聞く人をすっと入り込ませる。そしてどっぷり入り込んでみたらめちゃくちゃに怖いという。

ラストシーン以外は滑稽み多めに演じられることの多い「死神」とも違った味わい。御来場された皆様にとっても珍しい経験だったと思われます。

この時ばかりは皆さん8月の暑さを忘れておられるご様子でした。

 

【仲明け「マサコ」初代麻屋真蔵】

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さて、仲明けは僭越ながら私、麻屋真蔵が務めさせていただきました。

噺は「マサコ」。春風亭昇太師匠の作られた新作落語です(春風亭昇太師匠、ご結婚おめでとうございます!間違いなく見てないと思いますが笑)

 

内容は間抜けで怖がりな男が怪談で友達を怖がらせようとするもやはりそこは落語らしく失敗してしまうという、新作でありながら古典落語のような趣のある噺。

一つ前の噺がガチの怪談だったこともあってフリも十分に効いているためとても反応が良かったです(自画自賛)。

それもこれも出順を決めてくれた主任の晴夢さんのおかげです。ナイス采配!

 

【ヒザ「ざるや」三代目女難亭愛狂】

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トリ前の大事なヒザはやはりこの方、ふくぶくろの代表、三代目女難亭愛狂師匠です!トレードマークの赤い着物と袴!説明不要!

 

マクラからもう貫禄抜群、ご自分の言葉にお客様がどう反応するかを知り尽くしておられます。もうドッカンドッカン笑いが起こる。

 

噺は「ざるや」。縁起のいい言葉を次次にまくし立てては徐々に話も客席も盛り上がって行く様子が心地よく面白い、愛狂師匠お得意の1席、自慢の逸品と言ったところでしょう。

何度か伺っている噺ではありますが飽きるどころか聞く度に味わいが増しておられます。

 

……媚びてるわけではありませんから!!!

 

【大トリ「三味線栗毛」八代目子敷屋晴夢】

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さあいよいよ大トリ、八代目子敷屋晴夢さんによる人情話「三味線栗毛」。盲目の按摩と大名の息子の身分を超えた交流が聞く人の心をときに温めときにゆさぶる名作です。

 

口上でも発揮しておられましたがやはりこの方、お客様の懐に入るのが上手い!

 

そして噺に入れば滑稽どころからシリアスなシーンまで実に幅広い演技力。マクラから噺へと切り替えたとき、会場の空気ががらっと変わったのを肌で感じました。

人情噺に必要不可欠な、言葉だけでなくその言葉の裏にひそむ人の心の機微までをしっかりと描写し伝える技術が抜群です。

笑わせるところではしっかり笑わせ、それ故にシリアスなシーンでの感動が引き立つ、そのバランスが理想的な1席でした。脱帽です!

 

【終わりに】

さて、いかがでしたでしょうか「ボケミアン・ラクゴディ」。

 

この会をご覧になって、もしくはこの記事を読んで「ふくぶくろの落語会を見に行ってみようかな」と思われた方に朗報です!

 

なんと次の落語会は今週の土曜日、12月7日!会場は同じく幕張コミュニティセンターにて!主任を五代目いらし亭今宵くんが努めます!ぜひお誘い合わせの上御来場を!

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それでは長くなりましたが今回はこの辺で!

次はぜひ、12月7日、幕張コミュニティセンターでお会いしましょう!