ご無沙汰しております、真蔵です!
先日愛狂さんが予告記事を書いていただいた通り、
去る11月13日(土)、幕張コミュニティセンターにて
「幕張寄席〜ふくぶくろは永遠に〜」
無事開催することができました!
(ちなみに最終回とかでは全然ありません。「これからもずーっと皆で落語がしていきたいなぁ」という気持ちでつけたタイトルなのですが不要な誤解を招きました笑)
まずは会場のスタッフ、演者、お手伝いしてくれた後輩部員の皆様、そしてご来場頂いたお客様方にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!
今回は落語会の後の恒例(にしたいと常々思っている)、レポ記事でございます。
【開口一番「寄合酒」一六亭玖世】
※手違いで高座の写真が撮れていなかったため、会場準備中の写真です。玖世君、ごめん!
さて1人目は現役落語研究会からの助っ人、一六亭玖世くんです。
彼の出演は開演の1時間前に急遽決まりました。
というのもこの日、予定していた演者の1人が仕事で来られなくなってしまい(お疲れ様でした!)、元々6人の予定が5人になってしまっていたのです。
するとそこに玖世くんが、
「出演するつもりはないが、すぐにかけられる噺もいくつかあるし、着物は用意している。出演するつもりはないが、めくりや高座返し(演者が変わる際に座布団をひっくり返すこと)の作法も当然身につけている。出演するつもりはないが」
と唐突なツンデレまたはダチョウ倶楽部を披露してくれたので有難く出演してもらうことに。
結論から言うと、彼は完璧でした。
ユーモアを混じえつつお客様に注意(飲食やフラッシュ撮影の御遠慮など)を促し、軽めの噺でサクッと会場を温め、お仲入りの際の掛け声とご案内、めくり、高座返しと最後までキッチリ仕事をしてくれました。なにやらいつも以上に格式のある落語会になったものです。ありがとう!
【口上:麻屋真蔵】
続いて私の口上です。相変わらず口上の際の出囃子(片シャギリ)がどれくらいの尺で終わるものか分からずワタワタと高座に上がってしまいました…!寛容なお客様方でよかったです。
これはとにかく楽しかった!
ほとんどマクラがわりにあれこれ気軽に話し、お客様に笑っていただき、高座で話す楽しみを味わい尽くしました。ありがとうございました!
【食いつき「蔵前駕籠」四代目花乃家羽飛】
続いては花乃家羽飛(はっぴー)くんによる「蔵前駕籠」。
吉原に遊びに行く際は駕籠(小さな部屋のようなものを2~3人がかりで運ぶ贅沢な交通手段)で向かうのが粋とされていた頃、追い剥ぎが出るから嫌だという籠屋を説得する為に一計を講じる噺です。
前フリや状況説明の語りが多く、ともすればお客様を飽きさせてしまう難しい噺ですが、見事にこなしてくれました。
彼の持ち味は生き生きとした人物描写にあると生意気にも評していたのですが、語りの方も名調子。
…ちなみに先に書いてしまうと、今回の寄席で私が用意していたのも廓噺でしたので、少々ネタ被り気味でした笑
まあ郭に向かう道中が主な話なのでセーフでしょう!ありがとう!
【仲トリ「天狗裁き」九代目三升亭酔狂】
さて仲トリはこの方、もはやふくぶくろの大定番、「大事なところはこの人に任せておけば間違いはない人ランキング」1位の三升亭酔狂さんによる「天狗裁き」。
居眠りをする亭主が何やら楽しそうに眠っていたため、どんな夢をみていたのか問いただす家内、しかし亭主は夢など見ていないという。そんな日常の1幕が一大スペクタクルへと発展していく、小さな大事件を描く1席。相変わらず圧巻です。
語り口の小気味良さ、コミカルでありつつ人の本性をえぐる人物描写と表情の豊かさがいつ見ても素晴らしいと、私の母も申しておりました。
親孝行をさせていただいております、ありがとうございました!
【仲明け「マキシム・ド・呑兵衛」八代目子敷屋晴夢】
仲入りを挟んで続いてはこの方、こちらも大定番の子敷屋晴夢さんによる「マキシム・ド・呑兵衛」。
流行らない居酒屋を経営する老夫婦が、一流レストランのサービスから着想をえた頓珍漢なサービスを展開する新作落語。新作でありつつ、落語の定番「生兵法ですごい人の真似をして失敗する」展開を踏襲した名作です。
やはり彼女が高座にあがると場が華やぎます。休憩明けで眠気を誘いがちな時間、しっかりお客様のテンションをキープするためにはこういう力がかかせません。お客様の心をしっかり引き付けパワフルに打ち返す、良いバッティングをしてくれます。
現在の世相を反映させやすい新作落語の強みをこれでもかと活かす手腕とそれを成立させる演技力が素晴らしいと、私の母も申しておりました。ありがとう!
【ヒザ「たいこ腹」三代目女難亭愛狂】
さあいよいよ大詰め、ヒザは贅沢にもふくぶくろ代表の女難亭愛狂さんによる「たいこ腹」。
廓噺にこそ分類されませんがここに来て完全に吉原が被ってしまいました。
…花魁は出てこないからセーフでしょう!
落語の世界ではいつも暇を持て余す大店の若旦那。「小人閑居して不善をなす」の言葉通りこういう人に時間をあたえるとろくな事をしません。「暇だから針(治療)でもしてみるか」と全く医学の勉強もせず何でも言う事をきく幇間に針を刺そうとする若旦那。映像化した日にはR15かはたまたR18か、しかしこういう噺が笑えるのも落語の醍醐味。もちろんしっかりと笑いをかっさらってくださいました。
この人の演じる若旦那の軽薄な雰囲気は本当に上手い。褒めてます!ありがとうございました!
【トリ「お見立て」麻屋真蔵】
楽しかったです!!!
足が痺れました。
いかがでしたでしょうか、
幕張寄席〜ふくぶくろは永遠に〜。
急な募集にもかかわらず豪華なメンバーに恵まれ、大変内容の濃い寄席ができました!何事もノリと勢いです。そして熱心に人集めをして下さったふくぶくろ副代表、麻屋鶴蔵さんのおかげです。ありがとうございました!
改めまして、幕張コミュニティセンターのスタッフの方々、演者の皆様、手伝ってくれた後輩たち、会場にお運びくださったお客様方、本当にありがとうございました!
最後に集合写真で締めくくりましょう。
〜続く〜